夏に歩きたい!涼感あふれる清涼トレッキング3選

暑い季節でも気持ちよく歩ける「涼しいトレッキングコース」を厳選紹介。東京近郊でアクセスも良好、水辺や滝、渓谷などを楽しみながら、初心者でも爽やかな山歩きができる3つのルートをピックアップしました。清涼感と自然美を味わいに、ひと夏の冒険へ出かけましょう!

更新:2025.6.20 作成:2025.6.20
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
❤︎ お気に入り
目次
  1. 夏におすすめ!涼しいトレッキングとは?
  2. 迫力の大滝が魅力!川苔山(東京・奥多摩)
  3. 見晴らしと風が気持ちいい!大福山(千葉・養老渓谷)
  4. 渓谷と富士山の絶景を味わう!滝子山(山梨・大月)
  5. 涼を求める山歩きの服装と持ち物

夏におすすめ!涼しいトレッキングとは?

夏の登山と聞くと、「暑くてしんどそう」「熱中症が心配」といった声がよく聞かれます。確かに真夏の低山や稜線歩きは、高温と強い日差しの中で体力を消耗しがちです。しかし、山の中には、気温が下界よりもぐっと低く、木陰や水辺を歩くことで快適に過ごせる“涼しいトレッキングコース”が数多く存在します。

涼しいトレイルの条件は、大きく3つあります。ひとつ目は「水辺が近い」こと。滝や沢、渓谷の近くを歩くコースは気化熱によって体感温度が下がり、涼やかな空気を感じることができます。二つ目は「樹林帯が多い」こと。日陰になる場所が多ければ、直射日光を避けて快適に歩けます。三つ目は「風通しのよい地形」であること。尾根上や開けた展望地では、心地よい風が吹き抜けるポイントも少なくありません。

また、夏のトレッキングに求められるのは、達成感と安心感のバランスです。体力を必要以上に消耗せず、それでいてしっかりと山の風景や自然の変化を感じられるコースが理想的。今回紹介する3コースは、どれも標高1,000m前後までの中低山が中心で、登山初心者でも十分に楽しめるルートばかり。しかも、水辺や展望といった“ご褒美”がセットになっているため、満足感の高い山歩きができるのも魅力です。

ガチ登山とまではいかないけれど、自然に癒されたい、涼しい場所で体を動かしたい――そんな夏のアクティビティを探している方にこそ、ぜひおすすめしたい内容となっています。次章からは、実際に歩いて気持ちよかったと評判の高いコースを3つ、順番に紹介していきましょう。

迫力の大滝が魅力!川苔山(東京・奥多摩)

夏の奥多摩エリアで特に人気が高いのが、川苔山(かわのりやま)です。標高は1,363mと中程度ながら、滝や沢沿いの景色、そして緑豊かな樹林帯が広がるコースは、まさに“涼感トレッキング”にぴったり。なかでもハイライトとなるのが「百尋ノ滝(ひゃくひろのたき)」です。落差約40m、断崖の岩壁から轟音とともに流れ落ちるその姿は、まさに圧巻。滝壺に近づけば、細かな水しぶきとともに天然のクーラーのような涼しさが体を包んでくれます。

定番のルートは、奥多摩駅からバスでアクセスできる「川乗橋」バス停からの往復コース。まずは沢沿いの林道を歩き、緑のトンネルのような道を進んでいくと、やがて登山道らしい上り坂に変わります。百尋ノ滝までは比較的なだらかな道のりで、初心者でも安心して歩けるレベル。ここまででも十分に満足感がありますが、体力に余裕があればぜひ山頂までの登頂を目指してみてください。

山頂へは、百尋ノ滝からさらに1時間半ほど。急登が続きますが、木立の中を進むため直射日光は少なく、暑さはあまり感じません。頂上は木々に囲まれて展望こそ限定的ですが、涼しい空気と静けさに包まれる場所です。帰路はピストンで戻るか、時間と装備が整っていれば鳩ノ巣駅方面に下山する縦走ルートも可能です。

注意点としては、前日が雨だった場合、沢沿いの道がぬかるみやすく滑りやすいこと。防水の登山靴と、できればトレッキングポールを持参すると安心です。また、百尋ノ滝以降は水場がないため、途中でしっかりと水分補給を済ませておきましょう。

「滝で涼む」「緑の中を歩く」「東京から日帰り可能」と、夏の条件がそろった川苔山。登山らしさを感じつつも、爽やかな自然に癒されたい人には理想的な一歩です。

見晴らしと風が気持ちいい!大福山(千葉・養老渓谷)

「真夏でも比較的涼しく歩ける里山」として、房総半島の養老渓谷エリアに位置する大福山(だいふくやま)は、ひそかな人気を集めています。標高は292mと控えめながら、渓谷沿いの涼しげな道や、展望台からの爽快な見晴らし、そしてアクセスの良さが魅力のトレッキングコースです。特に夏場は、谷沿いの風が心地よく、森林浴と渓谷散策を一度に楽しめるルートとしておすすめです。

養老渓谷駅や上総中野駅からアクセスできる周回コースが整備されており、途中には「梅ヶ瀬渓谷」や「観音橋」といったフォトスポットも点在。なかでも梅ヶ瀬渓谷は、沢沿いの涼感ルートが続く名所で、緑と水音に包まれながらのんびり歩けるのがポイントです。沢に手を浸せばひんやりと気持ちよく、暑さを忘れてしまうようなひとときを味わえます。

大福山の山頂までは、緩やかな上り坂が中心。ハイキング気分で登れるため、ファミリー層や初心者にもぴったりです。頂上には小さな東屋と展望台があり、晴れていれば東京湾やスカイツリーまで見渡せる日もあります。遮るもののない開放的な空間で、心地よい風に吹かれながらの休憩は格別。標高以上の満足感が得られるはずです。

コース全体は片道2〜3時間ほどで歩ける設定で、道中には自販機やトイレも点在しています。ただし、梅ヶ瀬渓谷周辺はややぬかるみやすいため、滑りにくい靴を選ぶと安心です。また、7〜8月は草木が生い茂る季節でもあるので、虫よけスプレーや長袖の服装を忘れずに。

海風と里山風景が重なる房総ならではの気持ちよさを感じられる大福山。都心からの日帰り旅にもちょうどよく、夏の週末トレッキングにうってつけの一座です。

渓谷と富士山の絶景を味わう!滝子山(山梨・大月)

山梨県大月市に位置する滝子山(たきごやま)は、標高1,620mとやや高めながら、登山初心者でも登頂しやすいコースが整備されており、「涼しくて、登りごたえもある絶景トレイル」として高く評価されています。特に夏場は、沢沿いに進む「南陵ルート」が人気。谷からの風が心地よく、道中は水音と緑に癒される涼感たっぷりの山歩きが楽しめます。

スタートはJR笹子駅。駅から林道を進み、南陵ルートに入ると、すぐに沢沿いの山道が始まります。岩を飛び越えたり、倒木をくぐったりと、ちょっとした冒険気分も味わえる道ですが、しっかり整備されているため不安はありません。沢に寄り添うように進むため、夏の強い日差しも木々がしっかり遮ってくれます。途中には涼やかな小滝がいくつか現れ、水場で顔を洗ったり、手を浸してリフレッシュするのも楽しいポイントです。

山頂まではおおよそ3時間ほど。終盤は尾根道となり、徐々に展望が開けてきます。そして、最大のご褒美が待っているのが山頂からの景色。天気が良ければ、目の前に富士山がどっしりと姿を現し、その雄大な姿に思わず息を呑むはず。標高差と達成感がある分、山頂での風は格別で、心地よい爽快感に包まれる瞬間です。

下山ルートは南稜をピストンで戻るもよし、東稜ルートを通って大谷ヶ丸方面へ縦走してもOK。ただし、いずれも距離があるため、登山時間はしっかり確保し、早めのスタートを心がけましょう。水場は序盤の沢沿いに限られるため、後半に備えて水分を多めに持つのも大切です。

滝子山は「涼しさ・爽快感・展望」の三拍子がそろった秀逸コース。アクセスも比較的良好で、都心から日帰りで本格感のある山行を味わえる、夏の“ちょうどいい”名山と言えるでしょう。

涼を求める山歩きの服装と持ち物

夏に涼しいトレッキングを楽しむためには、コース選びと同じくらい、装備の工夫が大切です。標高が高くなくても、沢沿いや滝周辺などは気温が低く、汗冷えや滑落のリスクもあるため、快適さと安全性のバランスを意識した準備が求められます。

まず、服装の基本は「通気性と速乾性の高い素材」を選ぶこと。コットン素材は一度濡れるとなかなか乾かず、体温を奪う原因になるため避けたいところ。吸汗速乾性のあるポリエステルやメリノウール素材のTシャツやインナーをベースに、登りでは熱を逃し、休憩時には風から身を守れるよう、薄手のウィンドシェルやアームカバーを携帯するのがおすすめです。

ボトムスはタイツ+ショートパンツや、薄手のストレッチパンツなど、動きやすく乾きやすいものを選びましょう。沢沿いで濡れる可能性も考慮し、速乾性に優れた登山用ソックスと、防水性の高い登山靴またはトレッキングシューズを履くのが理想です。ぬかるみや滑りやすい岩場があるコースでは、トレッキングポールを使うことで安定感が増し、足への負担も軽減できます。

また、夏場に忘れがちなのが「虫よけ」と「日焼け対策」。水辺や樹林帯では蚊やブヨが出やすく、特に早朝や夕方には虫刺されに注意が必要です。虫よけスプレーや肌を露出しすぎない服装を心がけましょう。日焼けも意外と油断できず、曇りの日でも紫外線は届いています。帽子・サングラス・日焼け止めクリームの3点セットは常備しておきたいところです。

そして何より重要なのが水分補給。沢沿いコースでも、飲用できる水場があるとは限りません。最低でも1.5〜2リットル程度の水分を携帯し、塩分補給ができるタブレットや経口補水液も備えておくと安心です。とくに下山時は脱水による集中力低下が転倒・怪我につながりやすいため、余裕を持った行動を心がけてください。

涼しさを楽しむための準備をしっかり整えれば、夏山もぐっと身近に、そして安全に楽しめます。しっかり装備を整えて、心地よいトレイルの風を感じに出かけましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
❤︎ お気に入り
  • とんすけ

    千葉県北西部からまったり遊べる情報を発信していきます!

    フォローする

連載

【製品紹介】究極にコンパクトを追求した21gのコーヒードリッパー

【製品レビュー】2019年発売のSOTO・マイクロトーチアクティブを使ってみた!