更新:2025.5.29 作成:2025.5.29
長野県松本市と上田市にまたがる美ヶ原高原は、標高約2,000mの広大な台地状高原です。真夏でも気温は20℃前後と涼しく、風が心地よく吹き抜けます。高原全体がゆるやかな地形のため、登山というより「高原ハイキング」感覚で楽しめるのが魅力です。
特に人気なのが、美ヶ原自然保護センターから美しの塔、そして最高地点・王ヶ頭(2,034m)へと続くコース。往復2時間ほどで、広がる草原と360度の展望、そして早朝には雲海に包まれる神秘的な光景に出会えることも。
美ヶ原のトレッキングルートは、道幅が広く案内板も完備されており、登山初心者や家族連れでも安心して歩けます。特に「美しの塔」までの道は木道や砂利道で整備されており、スニーカーでも歩けるほど。王ヶ頭方面に進んでも急登はなく、ほどよいアップダウンが続くため、体力に自信のない方でも楽しめます。
さらに王ヶ頭ホテルまで行けば、コーヒー休憩や絶景展望台もセットで楽しめるため、観光気分で歩けるのも大きなポイントです。
登山後や時間に余裕がある場合は、「美ヶ原高原美術館」にもぜひ足を運んでみましょう。屋外展示を中心とした彫刻美術館で、高原の風を感じながらアートと自然の融合を楽しめるユニークな施設です。
また、高原には放牧された牛がのんびり歩いており、アルプスのような牧歌的風景も見どころのひとつ。ソフトクリームや高原牛乳などの名物も、夏の疲れを癒してくれます。
アクセスは、松本市側からの車利用が一般的で、「武石観光センター」や「美ヶ原自然保護センター」駐車場が拠点になります。公共交通機関を利用する場合は、松本駅から美ヶ原高原直行バス(夏季限定)を活用するのが便利です。
下山後には、「美ヶ原温泉」や「浅間温泉」でのんびり宿泊や日帰り入浴も可能。標高2,000mで汗をかかずに歩き、温泉で癒される夏のご褒美トレッキングがここにあります。
夏の霧ヶ峰高原を代表する風景といえば、ニッコウキスゲが咲き乱れる草原一面の黄花風景。7月中旬〜下旬が見頃で、まるで絨毯のように高原を彩ります。なだらかな地形が続き、稜線からは南アルプスや八ヶ岳のパノラマを望むことも。
車山(1,925m)を中心としたトレッキングコースは複数あり、車山肩〜車山山頂〜蝶々深山〜八島ヶ原湿原という霧ヶ峰の王道周回コース(約8km・3時間前後)が人気です。
霧ヶ峰の魅力は、登山装備がなくても歩けるコース設定にあります。歩道は石畳や木道が中心で、高低差も控えめ。登山初心者やハイキング好きの方にはまさにうってつけのフィールドです。
途中にはベンチや展望台も設けられており、「ちょっと散歩」感覚で絶景に出会える贅沢な時間を味わえます。標高も1,700〜1,900mと高く、真夏でもひんやりとした風が心地よく吹き抜けます。
コースの終盤にあたる八島ヶ原湿原は、環境省指定の特別保護地区。ここではワタスゲやヒオウギアヤメなど高原の花々が咲き乱れ、静かな木道トレイルが広がります。
トレッキング後にこの湿原を歩くことで、心身がすっと整うような静けさと清涼感が味わえます。アップダウンも少ないので、体力が残っていない時間帯でも無理なく楽しめるのもポイントです。
霧ヶ峰高原へは、諏訪ICから車で40分程度。ビーナスライン沿いの絶景ドライブとセットで訪れるのがおすすめです。マイカー利用なら「車山肩駐車場」がベースになります。
近隣の「白樺湖温泉」や「片倉館(上諏訪温泉)」では、登山後に日帰り入浴も可能。さらに、売店では「高原ソフト」や「山賊焼きバーガー」などのローカルグルメも充実しています。
栃木県那須町にそびえる茶臼岳(1,915m)は、関東平野からも見える那須連山の主峰。夏でも気温が20℃を下回ることも多く、冷涼な空気と雄大な火山地形を満喫できる避暑ハイクスポットとして人気です。
特に注目したいのが、那須ロープウェイ(山麓駅〜九合目)を活用してのプチ登山+姥ヶ平周遊。わずか10分で標高1,684mまで上がれるため、初心者でも楽に高地トレッキングが楽しめます。
ロープウェイ山頂駅から茶臼岳山頂までは約1時間。ゴツゴツとした岩場が続きますが、道は整備されており、初心者でも注意して歩けば無理なく登頂可能です。山頂からは那須野ヶ原、日光連山、時には遠く磐梯山まで一望!
その後のおすすめが「姥ヶ平」方面への下りルート。こちらは広大な高原と池塘が広がり、秋は紅葉、夏は高山植物の楽園として知られています。茶臼岳を見上げるアングルもフォトジェニックで、インスタ映え間違いなしのスポットです。
茶臼岳の山頂ピストン(往復2時間弱)+姥ヶ平への下り(+復路登り返し)は中級者向けのやや健脚コース。とはいえ、姥ヶ平のみを目的とするなら、登り返しは避けて「峠の茶屋駐車場」へ周回するルートも選べます。
登山靴は必須ですが、しっかりとした登山道整備とロープウェイの恩恵で、体力に不安があってもチャレンジしやすい山です。夏の晴れた日には、日帰りトレッキングとしての満足度も非常に高いでしょう。
トレッキング後の楽しみは、那須高原の豊富な温泉群。特に「那須湯本温泉」は開湯1,300年を超える歴史ある湯で、硫黄の香り漂う乳白色のにごり湯に癒されます。
周辺には観光牧場やレストランも充実しており、トレッキング+グルメ+温泉の3拍子がそろった理想の夏休み高原旅に。公共交通でも那須塩原駅からバスでアクセス可能なので、マイカーがない方でも安心です。
南アルプスと八ヶ岳の狭間に位置する入笠山(にゅうかさやま/1,955m)は、富士見パノラマリゾートのゴンドラを使えば、一気に標高1,780m地点までアクセス可能。そこから山頂までは、わずか約60分の緩やかな登山で、老若男女問わず気軽に楽しめる夏の人気スポットです。
夏でも涼しく、ゴンドラから降り立った瞬間に高原の空気が体を包む快感は格別。日帰りで登山と湿原散策をセットで楽しめる“高原総合アクティビティエリア”として、多くのハイカーに親しまれています。
ゴンドラ山頂駅からすぐの場所には、「入笠すずらん山野草公園」や「入笠湿原」が広がっており、7月〜8月はニッコウキスゲ、ヤナギラン、アザミ、コオニユリなど高山植物の見頃シーズン。
特に朝の時間帯は人も少なく、花々に囲まれた木道トレイルをのんびり歩けるため、写真撮影や自然観察にも最適。登山というよりも、“花を巡る癒しのさんぽ”感覚で訪れる人も多いのが特徴です。
入笠山の山頂までは、ゆるやかな上りが続きますが、最後に見える景色は圧巻。八ヶ岳連峰・南アルプス・中央アルプス、そして天気が良ければ富士山までも一望できる、信州屈指の絶景展望台です。
木陰も多く、暑さに疲れた体を癒してくれるスポットが点在。帰り道も危険箇所が少なく、登山初心者の“初めての山登り”にも自信を持っておすすめできます。
車利用の場合は中央道・諏訪南ICから10分ほどでゴンドラ駐車場に到着。公共交通では、JR富士見駅から無料シャトルバスが運行しており、アクセス性は抜群です。
下山後は、ゴンドラ下のレストハウスで地元野菜カレーやアイスクリームを味わったり、富士見温泉「ゆーとろん水神の湯」で日帰り入浴したりと、旅の締めくくりもばっちり。
登山・高山植物・絶景・温泉という夏休みに欲しい4拍子がそろう名スポットです。
群馬県の赤城山は、関東から日帰りでも訪れやすい高原エリア。その中でも、ひっそりと佇む「覚満淵(かくまんぶち)」は、“ミニ尾瀬”とも呼ばれる静かな湿原トレイルとして知られています。
標高は約1,360mと高く、真夏でも20℃を下回ることも珍しくないほど。風がそよぐ木道を歩くだけで、体も心も自然とリセットされるような空間が広がっています。
覚満淵のトレイルは、木道が整備された約1kmのループコース。高低差はほとんどなく、運動が苦手な方や小さなお子様連れでも無理なく歩けます。登山というよりは“高原の自然散策”に近く、リュックひとつで気軽に訪れられるのも魅力です。
早朝には霧がかかる幻想的な景色に出会えることもあり、静寂の中に鳥の声だけが響く、まさに“避暑地ならではの癒し時間”を味わえます。
オトギリソウ
夏の覚満淵では、レンゲツツジやノハナショウブ、カキツバタなどの高原植物が見られ、湿原の小さな池塘に映る空や木々とのコントラストがとてもフォトジェニック。
近くには「鳥居峠」や「小地蔵岳」への軽ハイクコースもあり、時間や体力に応じて行動を拡張することも可能。1日をのんびり自然の中で過ごすにはぴったりのロケーションです。
秘湯 滝沢温泉
覚満淵は、「赤城山大沼」のすぐそばに位置しており、駐車場から徒歩3分というアクセスの良さもポイント。赤城山ビジターセンターを拠点にすれば、トイレ・売店・観光案内も万全です。
帰りには、麓の「赤城温泉郷」で日帰り入浴もおすすめ。特に「滝沢温泉」や「忠治温泉」は山の中の静かな湯処として人気で、登山やトレッキング後の癒しにぴったり。
関東圏から車で90分以内という好立地もあり、気軽に行けて、しっかり癒される高原トレッキングの穴場スポットです。
夏の暑さを避けながら自然を満喫するなら、標高1,000m以上の高原トレッキングが最適です。今回ご紹介した5つのスポットは、いずれもアクセス性・景観・難易度のバランスが良く、初心者から中級者まで楽しめるコースばかり。特に夏休みの旅先として、以下のような魅力が詰まっています。
気温20℃前後の避暑トレイルで快適に歩ける
ニッコウキスゲや高山植物など、夏ならではの景色
ゴンドラやロープウェイを活用して体力に不安がある人でも安心
温泉・グルメ・美術館などの周辺観光も充実
日帰りから宿泊旅まで、旅のスタイルに合わせて選べる自由度
「登山はちょっとハードルが高い…」という方でも、今回のコースなら“歩く旅の第一歩”として気軽に楽しめる内容です。この夏は涼やかな高原の風を感じに、ぜひ山へ出かけてみませんか?
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