更新:2025.7.11 作成:2025.7.11
2025年のアウトドアギア業界では、「軽量化」と「多機能化」が中心的なテーマとなっています。特にクッカーや焚き火台は、その傾向が顕著。これまでは用途に応じて選ぶのが一般的でしたが、現在は1台で複数の役割をこなせる“ハイブリッド型ギア”が注目を集めています。
パッキングしやすさや、調理中の安定性、熱伝導の効率などが改良されており、UL志向のハイカーからグループキャンパーまで、幅広いニーズに対応するモデルが続々登場中です。
2025年のクッカー選びで重要なのは、「スタッキング性」と「拡張性」。ソロキャンプからグルキャンまで対応可能なモジュール式のセットが増えており、鍋・フライパン・フタが一体化して収納できるタイプは特に人気です。
さらに、火加減の調整がしやすい肉厚タイプや、焦げつきにくいノンスティック加工も標準装備される傾向に。焚き火でもガスでも使える“デュアル対応”の製品が増えているのも注目ポイントです。
焚き火ギアにおいては、「直火NG時代」に対応した製品が多数登場。特に燃焼効率が高く、煙が少ない“二次燃焼型”の焚き火台は、2025年の新スタンダードと言える存在です。
また、熱を地面に伝えない構造や、地面を焦がさない火床設計など、環境に配慮した仕様が当たり前になってきました。調理機能と一体化したモデルや、五徳付き・五徳後付け可能なタイプなども増えており、「焚き火台=調理ツール」という考え方が定着しつつあります。
ウルトラライト(UL)スタイルにおけるクッカー選びの基本は、“必要最小限”に徹すること。1人分の湯を沸かせれば十分、という発想のもと、300〜700ml程度の容量が主流です。素材はアルミやチタンが中心で、なかでもチタン製は超軽量かつ耐久性もあるため、UL派の定番として定着しています。
取っ手が折りたためるもの、ガス缶やストーブが中に収まるものなど、パッキング効率を最大限に考えた設計がポイント。中には「蓋がフライパンにもなる」「カップ兼用」など、一石二鳥を極めたギアも登場しています。
UL志向の焚き火ギアといえば、やはり“ミニ焚き火台”。手のひらサイズに折りたためるモデルもあり、わずか200g台という軽さながら、実際の調理にも使える実力派が揃っています。
代表的なのは、五徳兼用の組み立て式ステンレス製モデルや、空き缶のような形状で二次燃焼が可能なチタン製ストーブ。落ち葉や小枝といった天然の燃料で使えるエコ仕様もULスタイルにマッチします。もちろん、火の扱いには十分な注意が必要ですが、自然との一体感を楽しめる点で、UL焚き火の魅力は根強い人気です。
ULギアの魅力は、ただ軽いだけではありません。機能美と楽しさを両立しているのが、近年の製品の大きな進化です。たとえば、極限まで軽量化されたチタンポットでも、湯が早く沸く構造を備えたり、スタッキングしたときにカタつかない設計がなされていたりと、細かな工夫が随所に見られます。
“重さは敵”というのがULの基本思想ではありますが、焚き火を囲んでお湯を沸かし、コーヒーを淹れる。そんな“遊びの時間”を大切にできる道具こそが、ULギアの真骨頂。あえてのミニマルスタイルが、最高の豊かさをもたらしてくれるのです。
ソロキャンプにおいては、持ち物を極力少なくしつつ、キャンプ飯もちゃんと楽しみたいというニーズが強まっています。そこで注目されているのが、“1台で何役もこなせるクッカーセット”。たとえば、鍋・蓋・フライパン・カップがスタッキングされて1セットになっているモデルは、収納性と実用性を兼ね備えた定番アイテムです。
2025年の新作では、熱効率を高めるヒートエクスチェンジャー付きのモデルや、シリコン素材を一部に採用したことで軽量かつ洗いやすい構造に進化したものも登場。ガス・アルコール両対応のモデルもあり、燃料選びの自由度が広がっているのもポイントです。
コンパクトながらも火力は十分、小枝や炭だけで料理ができる小型焚き火台は、ソロキャンパーの心強い味方。収納サイズはA5ノート程度、重量は1kg前後が主流で、徒歩や自転車でのキャンプでも負担になりません。
最近のモデルでは、“炎の質”にもこだわるユーザーが増えており、二次燃焼によって炎が安定しやすい設計のものや、調理用と鑑賞用の両立を意識したデザインも見受けられます。火力調整のしやすさや、煙の少なさなど、細かいストレスを減らす工夫が随所に盛り込まれているのが特徴です。
ソロキャンプの魅力は、“自分だけの時間”を自由に過ごせること。だからこそ、使う道具にも「機能性+感性」の両方が求められます。たとえば、真鍮や銅といった素材を使ったクッカーは使い込むほど風合いが変わり、愛着が増していきます。
また、収納袋のデザインや、調理中の手触り・音・香りまでを楽しめるような“感覚に訴えるギア”は、キャンプ体験全体を豊かにしてくれます。便利なだけでなく、ちょっとした“ときめき”があるギアを選ぶことで、ソロキャンプの満足度は確実に高まります。
グループキャンプでは「みんなで食べる」がキャンプの大きな楽しみのひとつ。大人数でも対応できる大型クッカーは、実用性だけでなく“見た目のインパクト”も選定基準になってきています。
たとえば、鋳鉄製のダッチオーブンは保温性・蓄熱性ともに優れており、煮込み料理や炊き込みご飯、ローストチキンまで幅広く対応。焚き火台と組み合わせれば、その場が一気に“キャンプの台所”へと早変わりします。最近では蓋がフライパンとして使えるタイプや、持ち運びやすい軽量モデルも人気です。
グループキャンプでは、調理だけでなく“焚き火を囲む体験”そのものが大事。そこで活躍するのが、大型のファイヤーピットや、多人数で囲める囲炉裏テーブル一体型焚き火台などです。
複数人が同時に調理できる仕様や、耐荷重が高くダッチオーブンを吊るせるトライポッド付きのモデルもあり、機能性と安全性を兼ね備えた製品が増えています。また、火を囲みながら語り合ったり、焼きマシュマロを楽しんだりといった時間が、キャンプの思い出を一層深めてくれるのも魅力です。
近年は、グループキャンプをSNSでシェアする文化が広まりつつあり、「映えるギア」も重要な選定ポイントに。たとえば、真鍮仕上げのケトルや、ウッドハンドル付きのスキレット、琺瑯(ほうろう)製のホットサンドメーカーなどは、写真映えと実用性を兼ね備えたアイテムとして人気です。
また、料理が美しく盛れるシェラカップや、ユニークな形のプレートなども「キャンプ料理の仕上げ」として重宝されます。グループでのアウトドア料理は“場の雰囲気”をつくる力が強く、ギアひとつでその空気感を大きく変えることができるのです。
まず、UL(ウルトラライト)スタイルでおすすめしたいのは、チタン製の【トークス 750mlポット】。わずか95gという軽さながら、湯沸かしから簡単な調理までこなせる汎用性が魅力です。OD缶やアルコールストーブを中にスタッキングできる設計も、パッキングのストレスを軽減してくれます。
焚き火台では、【ピコグリル398】が不動の人気。収納時はペタンコなのに、広げれば薪をしっかり置ける実力派。燃焼効率も高く、小枝でもしっかり調理が可能です。ソロULキャンパーの定番ギアといえるでしょう。
筆者がソロ用に愛用しているのは、【スノーピーク トレック900】。アルミ製ながら程よい厚みで焦げにくく、鍋・カップ・蓋がスタッキングできる名作クッカー。簡単な炒め物やインスタント麺など、ソロの定番料理に最適です。
焚き火台としては、【ベルモント TOKOBI】もおすすめ。組み立て式で軽量コンパクトながら、串焼きや網焼きもこなせる本格仕様。火加減の調整もしやすく、焚き火と調理のバランスが絶妙です。
グループキャンプでの筆者イチオシは、【ユニフレーム ファイアグリル】。焚き火・バーベキュー・ダッチオーブン料理まで対応できる万能ギアで、価格も手頃。4〜5人のキャンプなら、まず間違いない一台です。
さらに調理セットなら、【ロゴス SLダッチオーブン10inch】が活躍します。鋳鉄製ながら持ち運びやすく、蓋の裏が焼き目付きのグリルとしても使用可能。グルキャンの場を盛り上げる“料理の主役”になること間違いなしです。
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