
更新:2026.10.19 作成:2026.10.19
ランタンは明るければ明るいほどいい、と思っていませんか。私も最初は「いちばん明るいものを1台買えば安心」と考えていました。ところが、ランタンにはLED・ガス・ガソリン・オイルの主に4種類があり、明るさだけでなく、燃料や手間、使える場所までかなり違います。
この記事では、4種類の違いを初心者の目線で整理し、最初の1台はLEDがいい理由と、メイン用・テーブル用・テント内用の使い分けを紹介します。燃料を燃やすランタンをテントの中で使ってはいけない理由も、あわせて押さえておきましょう。
4種類と聞くと難しそうですが、まずは「電気で光るLED」と「燃料を燃やして光る3種類」の2つに分けて考えると、ぐっと分かりやすくなります。
LEDランタンは、乾電池や充電式のバッテリーの電気で光ります。燃料を入れたり火をつけたりする必要がなく、スイッチを押すだけで点くのが特徴です。充電式はUSBなどでくり返し使え、電池式は電池を入れ替えて使います。
火を使わないので、炎が出ることも、燃えたあとのガスが出ることもありません。明るさを強・中・弱のように切り替えられる製品もあります。
残りの3種類は、燃料を燃やした炎の明かりを使います。ガスランタンとガソリンランタンの多くは、「マントル」と呼ばれる袋状の部品を炎で熱して光らせるしくみです。マントルは電球にあたる部分で、使い始めに一度焼いて灰のような状態にする「空焼き(からやき)」が必要になります。
オイルランタンは、灯油やランプ用のオイルを芯に吸わせて燃やし、その炎そのものを明かりにします。どれも本物の火を使うので、本体が熱くなり、燃えたあとのガスが出るという点がLEDと大きく違います。
ここからは、4種類をひとつずつ見ていきます。明るさの表し方はメーカーによって違い、光の量を表す「lm(ルーメン)」のほか、「W相当」といった書き方もあります。
LEDランタンのいいところは、とにかく扱いが簡単なこと。燃料の準備も点火の練習もいりません。キャンプ用品メーカーのコールマンも、火を使わないためテント内でも安全に使える点を大きな魅力に挙げています。明るさは製品によって幅があり、コールマンの充電式には、いちばん明るい設定で約800lmになる製品もあります。
弱点は、電池や充電が切れると点かないこと。また、乾電池は寒さに弱く、電池メーカーは5〜45℃での使用を目安にしています。気温が低いと、正常に動かなかったり使える時間が短くなったりすることもあるので、寒い時期は予備の電池を多めに用意しておくと安心です。炎のゆらぎがないぶん、雰囲気は少しあっさりめに感じるかもしれません。
ガスランタンは、OD缶(アウトドア缶)と呼ばれるガスの缶をつないで使うものが代表的です。ガソリンランタンのように空気を送り込んで圧をかける作業がいらず、点火装置付きの製品なら、ガスを出してボタンを押せば火がつきます。燃焼式のなかでは手軽で、明るさも十分。コールマンには約1,543lmと、サイト全体を照らせる明るさの製品もあります。
注意したいのは寒さです。気温が低いと火力が安定しにくく、メーカーも弱点として挙げています。燃料代も高めになりがち。ガス缶は、器具ごとに指定されたものを使うのが基本です。
ガソリンランタンは、ホワイトガソリンというランタンやストーブ用の燃料を使います。使う前に、本体のタンクに空気を送り込んで圧をかける「ポンピング」という作業が必要です。手間はかかりますが、そのぶん寒い場所でも安定した明るさを保ちやすいのが強み。コールマンのマントル1つで光るタイプでも約130W相当の明るさがあり、燃焼時間は約7.5〜15時間とされています。
そのかわり、点火や手入れには慣れが必要です。燃料はメーカーが指定するホワイトガソリンを使い、製品ごとの決まり(たとえばコールマンのワンマントルランタンなら、給油はタンクの8分目まで)を守ります。空焼きしたマントルは灰のような状態で、衝撃で壊れやすくなります。ポンピングを済ませてから空焼きするのが正しい順番です。
オイルランタンは、灯油やランプ用のオイルを燃料にして、芯に火をつけて使います。ハリケーンランタンと呼ばれるタイプが代表的で、ポンピングもマントルもいらない、いちばんシンプルなつくりです。つまみで芯の出し方を変えて、炎の大きさを整えます。ドイツのフュアーハンドの定番モデル「ベイビースペシャル276」は、約0.34Lのタンクで約20時間灯るとされています。
明るさは炎ひとつぶんなので、4種類のなかではいちばん控えめ。サイト全体を照らすのには向きませんが、ゆらゆら揺れる炎の雰囲気は格別です。使っているうちに本体が熱くなるので、持つのは取っ手だけにして、燃えやすいものから離して置きましょう。
| 種類 | 燃料・電源 | 明るさ | 扱いやすさ | 雰囲気 | テント内 |
|---|---|---|---|---|---|
| LED | 乾電池・充電式 | 製品によって幅広い(約800lmの製品も) | スイッチだけで、いちばん簡単 | 炎のゆらぎはない | 使える |
| ガス | ガス缶(OD缶など) | 明るい(約1,543lmの製品も) | 点火装置付きなら手軽。寒さに弱い | マントルの白く強い光 | 使わない |
| ガソリン | ホワイトガソリン | 明るい(約130W相当の製品も) | ポンピングと手入れが必要。寒さに強い | マントルの白く強い光 | 使わない |
| オイル | 灯油・ランプ用オイル | 控えめ | つくりはシンプル。芯の調整が必要 | 揺れる炎 | 使わない |
4種類の違いが分かったところで、実際にどう選ぶかです。私のおすすめは、最初の1台をLEDにして、慣れてきたら役割ごとに買い足すやり方です。
初心者のうちは、テントの設営や料理だけで手いっぱいになりがちです。そこに燃料の準備や点火の手順が加わると、暗くなってから慌てることになります。LEDならスイッチひとつで点き、炎が出ないので、テーブルの上でもテントの中でも使えます。
もうひとつの理由は、どのみちLEDは1台必要になること。燃焼式はテントの中で使えないので、テント内の明かりはLEDに頼るしかありません。明るさを切り替えられるLEDなら、最初のうちはメインにもテーブルにも使い回せます。
ランタンは1台で全部をまかなうより、役割ごとに分けると使いやすくなります。コールマンは、サイト全体を照らす「メインランタン」、テーブルに置いて手元を照らす「テーブルランタン」、テントの中を照らす「テントランタン」のように役割を分けて、それぞれの明るさの目安を示しています。
目安は、メインが1,000lm以上、テーブルが300〜800lm程度、テント内が300〜500lm程度。メインは照らす量が大きいものを、テント内は明るさよりも邪魔にならないコンパクトなものを選ぶのがポイントです。燃焼式のランタンを使うならメインやテーブルの役に回し、テント内は必ずLEDにします。
テントの入口を開けておけば大丈夫、と思っていませんか。実は、これがとても危ない思い込みです。ガス器具の業界団体である日本ガス石油機器工業会は、テント内ではランタンなどのガス器具を絶対に使わないよう呼びかけていて、入口を開けていても危険だとしています。燃料を燃やすと一酸化炭素が出ることがあり、色もにおいもないので、吸い込んでも気づきにくいのがこわいところです。
製品事故を調べている公的機関のNITE(ナイト)も、テントの中など換気が不十分な場所でランタンなどを使うと一酸化炭素中毒に至るおそれがあるとして、屋外の風通しのよい場所で使うよう注意しています。さらに、燃焼式のランタンは使っていると熱くなるので、テントの生地や寝袋のような燃えやすいものの近くでは火災の心配もあります。ガス・ガソリン・オイルのどれも、テントの外で、燃えやすいものから離して使いましょう。
ランタン選びで迷ったら、まずは「電気で光るか、火で光るか」を思い出してください。火を使わないLEDは、初心者がつまずきやすい燃料や点火の心配がなく、テントの中でも使えます。最初の1台をLEDにしておけば、どんなキャンプでも明かりに困ることはありません。
慣れてきたら、明るいガスやガソリン、炎を眺めるオイルを足して、明かりの雰囲気を楽しむのもおすすめです。そのときは、テントの中では燃焼式を使わないことを必ず守ってください。燃料や使い方の決まりは製品ごとに違うので、使う前に取扱説明書を読んでおきましょう。
使う場所によって変わります。コールマンの目安では、サイト全体を照らすメインランタンは1,000lm以上、テーブル用は300〜800lm程度、テント内用は300〜500lm程度です。明るい設定ほど電池の減りは早く、コールマンの充電式「リチャージブルLEDランタン 800」では、約800lmの設定で約2.5時間、約140lmの設定なら約13時間とされています。
まずは製品の取扱説明書の指示に従ってください。コールマンは、ガスランタンはテント内だけでなくタープの下でも使えない、と案内しています。燃焼式のランタンは熱くなるので、布に近いと傷めたり燃え移ったりするおそれもあります。屋外であっても、まわりを囲まれた狭い場所では換気に注意が必要です。
使い終わったらキャップをして、高温多湿を避け、40℃以下の涼しく暗い場所に保管するようメーカーが案内しています。夏の車内のように高温になる場所に置きっぱなしにすると、過熱して爆発などにつながるおそれがあります。
灯油やランプ用のオイルを使う製品が多いですが、使える燃料は製品によって違います。必ず取扱説明書で指定された燃料を使ってください。また、ランプ用のオイルは、小さな子どもがひと口飲んだだけでも命に関わる肺の障害につながるおそれがあると、メーカーが注意しています。子どもの手の届かない場所に保管しましょう。
関連タグ:
この記事に関連するキーワード
その他のカテゴリ

テントに泊まるのが好きで20年来の趣味です。ここ数年のギアの進化についていけていません。登山と自転...
今月もっとも見られている記事
編集部のおすすめ