
更新:2026.10.28 作成:2026.10.28
冬のテントが寒いのは、生地が薄いから。そう思っていませんか。私も最初は、もっと分厚いテントを買わないと冬は無理だと考えていました。ところが、寒さを感じる理由には、テントの裾と地面のすき間から入りこむ風もあります。そのすき間をふさぐ布が、今回のテーマの「スカート」です。
この記事では、スカートとは何か、冷気や風を防ぐ仕組み、冬と夏での使い分け、そしてスカートのないテントでできる工夫を、メーカーの案内をもとにまとめます。あわせて、テントの中で火器を使ってはいけない理由も書いておきます。
スカートは、テントの外側の幕(フライシート)の下の端に付いた布のことです。服のスカートのように裾から垂れて、地面に沿って広がります。ロゴスのように「マッドスカート」と呼ぶメーカーもありますが、役割は同じで、裾と地面のあいだのすき間をふさぐための布です。
スカートのないテントでは、フライシートの裾と地面のあいだから風が入りこみます。DODは、スカートについて、冬場にテント生地の下から風が入り込むことを軽減するものだと説明しています。地面に沿って広がった布がすき間を覆うので、足元から吹きこむ冷たい風が減るわけです。
効くのは風だけではありません。コールマンは、全周にスカートが付いた2ルームテントを、冷気の侵入を防げる防寒性の高いテントとして紹介しています。さらに、スカートを地面にしっかり固定することで暖気を逃さず冷気を防げるとしています。外の冷たい空気が入りにくくなると、中の暖かい空気も逃げにくくなる、ということです。
Bears Rockは雪や雨の吹き込みを防ぐ役目を、DODは虫の侵入を減らす役目を挙げています。寒さ対策だけの布ではないんですね。
私が勘違いしていたのは、スカートさえあれば冷気はまったく入ってこない、という点でした。DODの製品説明を読むと、スカートの役割は冷気や風の吹き込みを軽減することだと書かれています。テントを密閉するものではなく、すき間風を減らす工夫だと考えておくと、期待しすぎずにすみます。
そしてスカートは、下ろして固定してはじめて効きます。Bears Rockは、スカート同士をしっかり重ねてペグを打つと冷気をさらに防げるとしていて、スカートが長めのテントなら、上から雪を乗せて下からの風や粉雪の吹き込みを防ぐ使い方も紹介しています。風でめくれたままでは、せっかくの布もすき間をつくってしまいます。
スカートは、一年中下ろしっぱなしにするものではありません。季節や天気に合わせて、下ろしたり巻き上げたりして使います。主な使い分けを表にまとめました。
| 場面 | スカート | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 冬・風が冷たい日 | 下ろしてペグで地面に固定する | 閉め切らず、上の換気口は開けておく |
| 雨の日 | 下ろして雨の吹き込みを防ぐ | 湿気がこもりやすいので、一部の窓を開けて換気する |
| 春・秋 | 一部だけ上げて風を通す | 昼と夜の気温差に合わせて調整する |
| 夏・蒸し暑い日 | 巻き上げて留め具で留める | 風でバタつかないよう、しっかり留める |
| 撤収のとき | ― | 地面に触れていた部分まで乾かしてからたたむ |
※DOD、ogawa、Bears Rock、コールマンなどの製品の案内をもとにまとめました(2026年10月時点)。使い方は製品ごとに違うので、取扱説明書を優先してください。
寒い時期は、スカートを地面に沿わせて下ろし、ペグで留めます。コールマンが、スカートとペグループ(ペグを通すための輪)で地面に固定することで暖気を逃さないと説明しているように、固定するところまでがセットです。DODも、寒い季節はスカートを下ろして保温性を高めるよう案内しています。
ここで初心者がやりがちなのが、寒いからと換気口まで全部閉めてしまうことです。私もそうしたくなりましたが、これが次に書く結露の原因になります。
暑い時期にスカートを下ろしたままだと、足元から風が抜けず、テントの中が蒸し暑くなりがちです。DODは、暑い時期はスカートを巻き上げて風通しを良くするよう案内していて、Bears Rockも、巻き上げることで風の通り道ができて涼しく使えるとしています。
巻き上げたスカートは、トグル(棒状の留め具)で留められる製品もあります。ogawaのタッソシリーズでは、トグルを止めると地面とスカートのあいだにすき間ができ、1か所だけ上げて換気したり、全部上げて風通しを良くしたりと調整できるそうです。留めておけば、風で生地がバタつくのも防げます。
スカートには、知っておきたい弱点もあります。DODは、スカート付きのテントで全てのドアを閉め切ると、空気がテント内にこもりやすくなると注意しています。特に雨の日は、地面から上がる湿気の逃げ場がなくなり、結露しやすいそうです。結露とは、テントの内と外の温度差で、生地の内側に水滴が付くことです。
対策は換気です。DODは一部の窓を開けておくことや定期的な換気を、ロゴスは張り綱をしっかり張ってフライシートとインナーテントのあいだにすき間をつくり、上部の換気口を開けることをすすめています。スカートで足元をふさいだら、上の換気口は開けておく。この組み合わせを覚えておくと安心です。
スカートが付いていないテントでも、張る場所や向き、床の敷き方で、寒さはやわらげられます。ただし、スカートがあってもなくても、テントの中で火器は使いません。すき間をふさいだテントでは、なおさら危険です。
まず見直したいのが、テントを張る場所と向きです。コールマンは、風が強いときは入口を風下側に向けるよう案内しています。入口が風上を向いていると、出入りのたびに冷たい風が吹きこんでしまいます。製品によっては向きの指示が違うこともあるので、取扱説明書があればそちらを優先してください。
場所選びでは、キャプテンスタッグが「風の通りやすい場所は避けよう」としていて、昼間は心地よかった風が夜はとても寒く感じられると書いています。開けた場所は気持ちよく見えますが、冬は風の当たり方も考えて選びましょう。なお、コールマンは風速6m以上では設営も難しくなるとして、無理をせず中止し、キャンプ場に状況を確かめるようすすめています。
スカートがないと、どうしても足元が冷えやすくなります。そこで効くのが、床の重ね方です。コールマンは、テントの下にグランドシート(テントの下に敷くシート)、テントの中にインナーシート、その上にマット、寝袋と重ねていくことをすすめています。インナーシートはカーペット、マットは敷布団、寝袋は掛け布団と考えると分かりやすいそうです。
寝る位置も工夫できます。コールマンは、テントは端が冷えやすく朝方に寒くなるので、中央に寄って寝るようすすめています。また、秋冬の寒さ対策は、キャンプ場の最低気温を確かめながら準備するのが基本とのことです。
スカートを下ろし、ドアも閉めたテントは、空気が入れ替わりにくくなります。そんな中でストーブやこんろを使うと、命に関わる危険があります。日本ガス石油機器工業会は、テントの中でガス燃焼器具や炭火を絶対に使わないよう呼びかけていて、ごく短い時間で一酸化炭素の濃度が上がること、一酸化炭素は無色・無臭で気づかないうちに体に入りこむことを挙げています。
勘違いしやすいのが、「換気していれば大丈夫」という考えです。同じ呼びかけでは、換気のために入口を開けていても危険だとしています。コールマンも燃焼式のストーブはテント内での使用は禁止されているとしていて、ロゴスもテント内やタープの下は火気厳禁と案内しています。換気は結露対策として必ず確保し、暖をとるのは湯たんぽやカイロのように火を使わない方法にしましょう。ただし湯たんぽも、やけどを防ぐため長時間体に当て続けないよう、消費者庁が呼びかけています。
スカートは、テントの裾と地面のすき間をふさいで、足元から入る風や冷気を減らす布です。冬は下ろしてペグで留め、夏は巻き上げて風を通す。密閉するものではなく、季節に合わせて調整する道具だと分かってから、私はスカートを「付いているかどうか」より「どう使うか」で見るようになりました。
スカートのないテントでも、入口の向き、張る場所、床の重ね方で、寒さはやわらげられます。どちらのテントでも変わらないのは、閉め切りすぎず上の換気口を開けておくこと、そしてテントの中で火器を使わないことです。出かける前には、使うテントの取扱説明書とキャンプ場の最低気温を確かめておきましょう。
場所や気温によります。入口を風下に向ける、風の通りやすい場所を避ける、床にシートやマットを重ねる、といった工夫で寒さはやわらげられます。ただ、スカートのないテントは足元から風が入りやすいので、冷えこみの厳しい時期は無理をしないことも大切です。出かける前に、キャンプ場の最低気温と、テントの取扱説明書に書かれた使い方を確かめておきましょう。
蒸し暑い時期は、巻き上げて使うのが基本です。下ろしたままだと足元から風が抜けにくく、テントの中が蒸し暑くなりがちです。巻き上げたスカートは、トグルなどの留め具で留めておくと風でバタつきにくくなります。一部だけ上げて換気できる製品もあるので、天気に合わせて調整してみてください。
帰ったら、なるべく早く広げて乾かしてください。DODは、水分が残ったまま収納するとカビや生地の傷みの原因になるとしていて、キャンプ場で乾かしきれなかったときは自宅で改めて乾かすよう案内しています。スカートは地面に触れているぶん、泥や夜露がつきやすい部分です。泥汚れは雑巾などでさっと拭き取っておきましょう。
いいえ、使わないでください。日本ガス石油機器工業会は、換気のために入口を開けていても、テントの中でガス燃焼器具や炭火を使うのは危険だとしています。一酸化炭素は色もにおいもないので、気づかないうちに吸いこんでしまいます。コールマンも燃焼式のストーブはテント内での使用は禁止としているので、暖は湯たんぽやカイロ、マットや寝袋で取りましょう。
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テントに泊まるのが好きで20年来の趣味です。ここ数年のギアの進化についていけていません。登山と自転...
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