更新:2025.4.11 作成:2025.4.11

石畳の箱根旧街道トレイル|湯本〜芦ノ湖を歩く旅

江戸の旅人気分を味わえる「箱根旧街道トレイル」は、箱根湯本から芦ノ湖までを石畳の山道で結ぶ歴史ロマンあふれる登山コース。関所跡や杉並木など見どころ満載で、初心者でも歩けるのに達成感も抜群。アクセス方法や服装、所要時間まで、初めての旧街道歩きに役立つ情報をわかりやすく紹介します。
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目次
  1. 江戸の旅人気分!箱根旧街道とはどんな道?
  2. 箱根湯本から芦ノ湖までのルート概要と所要時間
  3. 見どころ満載!道中の絶景と歴史的スポット
  4. 登山初心者も安心!装備と服装、歩き方のコツ
  5. アクセス方法と下山後の楽しみ方(温泉・グルメ)

江戸の旅人気分!箱根旧街道とはどんな道?

箱根旧街道とは、江戸時代に整備された五街道のひとつ「東海道」の中でも、箱根湯本から芦ノ湖(元箱根)までをつなぐ山越えのルートを指します。かつて東海道は、江戸(東京)と京都を結ぶ国家の大動脈でした。その中でも箱根の山越えは難所として知られ、旅人たちはこの急勾配で知られる街道を、息を切らせながら越えていったのです。
 

特にこの箱根旧街道が今もなお多くの人々を惹きつける理由は、「当時の面影が色濃く残っている」という点に尽きます。現代では多くの旧街道が舗装され、当時の姿を留めていないのが現実ですが、ここ箱根では、江戸時代そのままの“石畳の道”が保存され、しかも実際に歩ける状態で残されているのです。
 

この石畳は、江戸幕府の命によって整備されたもので、雨に濡れても滑りにくく、馬や人が通行しやすいよう工夫されていました。現代のアスファルトとは違い、足元からゴツゴツとした感触が伝わり、旅のリアルさを実感させてくれます。歩みを進めるたびに、「この道を何万人もの人が行き交っていたのか」と、歴史の重みを感じずにはいられません。
 

さらに道中には、風情ある杉並木が立ち並び、木漏れ日が差し込む中を歩くひとときは、まるで時代劇のワンシーンに迷い込んだかのよう。石畳と杉並木のコントラストが見事で、春は新緑、秋は紅葉と、四季折々の自然美が旅人を癒してくれます。
 

また、箱根旧街道のもう一つの魅力は、多くの歴史的名所が点在していることです。たとえば、旅人の休憩所として知られた「甘酒茶屋」は、江戸時代から営業を続けており、現在も当時と同じレシピで甘酒を提供しています。歴史的背景を知りながら飲む一杯の甘酒は、観光以上の感動をもたらしてくれるでしょう。
 

終盤に待ち受けるのは、関所跡や箱根関所資料館。ここはまさに「江戸時代のセキュリティチェックポイント」とも言える場所で、当時の厳しい監視体制を学ぶことができます。「入り鉄砲に出女を止める」という言葉が示すように、通行人の身分確認や荷物検査が行われていた、歴史の生き証人ともいえるスポットです。
 

こうした歴史・自然・文化の三拍子がそろった箱根旧街道は、近年再び注目を集めており、特に「体験型の観光」を求める層に人気があります。SNSでは「#箱根旧街道」「#石畳の道」「#江戸トレイル」などのハッシュタグで写真や感想が投稿されており、旅好きや歴史ファンの間でも話題になっています。
 

初心者にも歩きやすいコース設計になっているのもポイントで、標識や案内板が随所に設置されており、迷いにくい設計です。石畳の一部は保存のために通行禁止になっている区間もありますが、う回路も整備されているので安心。「登山はちょっと不安だけど、歴史ある道をのんびり歩いてみたい」という人にはまさにうってつけのコースと言えます。
 

江戸から令和へと続く道。その足元に、あなたの旅の第一歩を刻んでみてはいかがでしょうか。

箱根湯本から芦ノ湖までのルート概要と所要時間

箱根旧街道トレイルの代表的な区間は、箱根湯本駅を起点とし、元箱根(芦ノ湖畔)をゴールとするおよそ10kmのルートです。この区間は、江戸時代の東海道の難所とされながらも、現在では歴史と自然の魅力をたっぷり楽しめるハイキングコースとして人気があります。しっかり整備された道でありながら、当時の面影を色濃く残しており、「観光」と「登山」のちょうど中間のようなスタイルで歩けるのが特徴です。
 

このルートを通して歩くと、所要時間は人によって異なりますが、平均して3時間〜4時間ほどを見ておくと安心です。途中で休憩や写真撮影、茶屋での立ち寄りなどを含めると、5時間前後を想定してスケジュールを組むのが理想です。スタート時間は午前10時前後がベストで、午後から出発する場合は、日没に注意して余裕のあるプランを立てましょう。
 

ルート全体は大きく3つのゾーンに分かれます。
 

まず序盤の「箱根湯本〜畑宿」は、舗装道路と旧道が交互に現れる比較的穏やかな道のりです。歩き始めは住宅街の細道を抜けながら少しずつ山に入っていきますが、徐々に道幅が狭まり、石畳の旧道が現れます。アップダウンはありますが、まだ本格的な登山ではないので、ここで体を慣らすイメージです。
 

続いて中盤の「畑宿〜甘酒茶屋」区間では、石畳の割合が増え、杉並木に囲まれた古道らしい雰囲気が色濃くなってきます。道幅も狭く、雨天時は滑りやすいため、足元には十分注意が必要です。ところどころに休憩ベンチや解説板が設置されており、無理なくペース配分できるのも魅力。観光客が多い週末はやや混雑することもありますが、平日は静かで落ち着いた散策が可能です。
 

そして終盤の「甘酒茶屋〜元箱根」では、標高差が大きくなり、旧街道最大の難所ともいえる上り坂が続きます。体力を消耗しやすいエリアですが、道はしっかり整備されているため、休憩を挟みながら進めば初心者でも問題なく歩ききることができます。この区間は一部車道と並走する場面もあり、安全には十分注意を払いながら進みましょう。
 

ゴール地点となる元箱根エリアでは、眼前に広がる芦ノ湖の風景が旅の疲れを癒してくれます。湖畔に着いた瞬間、達成感と開放感が一気に押し寄せるはずです。周辺には箱根関所資料館や芦ノ湖遊覧船乗り場、カフェや温泉施設も充実しており、トレイル後の楽しみも尽きません。
 

標高についても触れておくと、箱根湯本の標高が約100m、芦ノ湖が約725mと、差は600m以上。全体的に“上り”が中心となるため、思っているより体力を使います。その分、達成感は大きく、日帰りトレイルとしては非常に満足度の高いルートといえるでしょう。
 

なお、旧街道にはいくつかの「ショートカット」や「う回路」が設定されており、時間や体力に合わせてコースを短縮することも可能です。万が一、体力に自信がなくなった場合でも、国道1号線沿いにエスケープポイント(バス停など)が点在しているため、無理せず途中で下山する選択肢もあります。
 

このように、箱根旧街道トレイルは、単なる“観光”でも“登山”でもない、「歴史体験×自然×健康」が融合したユニークな旅。3〜5時間で江戸の山道を体感できるこのコースは、忙しい現代人にとっても理想的な週末アクティビティです。

見どころ満載!道中の絶景と歴史的スポット

箱根旧街道トレイルの魅力は、単なる“山道”にとどまりません。歩く途中にいくつもの歴史的名所や絶景ポイントが点在しており、どこを切り取っても風情ある旅情を感じられる構成になっています。ここでは、箱根湯本から芦ノ湖までの間にある代表的な見どころをご紹介します。
 

まず注目したいのが、旧街道の代名詞ともいえる石畳の道。この石畳は江戸幕府によって整備され、特に箱根山中の急勾配に設けられたものです。現在でも一部区間では、当時の石畳が保存されており、実際にその上を歩くことができます。特に「橿木坂(かしのきざか)」や「猿滑坂(さるすべりざか)」といった名前のついた急坂では、昔の旅人たちが感じた苦労をリアルに体感できます。
 

次に見逃せないのが、杉並木が美しい「杉並木道」。畑宿から甘酒茶屋付近にかけて、整然と並ぶ杉の木々が旧街道の雰囲気をさらに高めています。樹齢数百年とされる杉もあり、夏場は日差しを遮る天然のトンネルのような涼しさを提供してくれます。まっすぐに伸びる木々の中を歩くと、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような感覚に包まれます。
 

また、道中の休憩スポットとして有名なのが、「甘酒茶屋」です。畑宿から1時間ほど登った山中にあり、江戸時代初期の創業以来、300年以上もの間、旅人の喉を潤してきた老舗の茶屋です。現在でも当時と変わらぬ製法で作られる甘酒や力餅が人気で、木造の建物と囲炉裏が旅情を掻き立てます。現代の登山者や観光客にとっては、疲れた足を休めるだけでなく、歴史と文化に触れる貴重なひとときになるでしょう。
 

そしてゴールに近づくと現れるのが、「箱根関所跡」「箱根関所資料館」です。箱根関所は江戸幕府が設けた交通の要所で、特に「入り鉄砲に出女(でおんな)」を取り締まる重要拠点でした。現在は復元整備されており、武士の詰所、女改めの場、木戸門などが再現されています。資料館では関所の歴史や当時の暮らしぶりを学ぶことができ、旅の締めくくりとしてとても充実したスポットです。
 

また、視覚的なご褒美とも言えるのが、芦ノ湖の絶景です。トレイルの終点である元箱根付近に到達すると、目前に広がる芦ノ湖とその背後にそびえる富士山(天候次第)が出迎えてくれます。とくに晴れた日の湖畔からの眺望は、旧街道歩きの疲れを一瞬で吹き飛ばしてくれるほど美しく、写真スポットとしても人気です。
 

その他にも、道中には「見晴茶屋跡」や「一里塚跡」、石碑、案内板など、旅人の歴史を感じさせる小さな見どころが点在しています。足元には「東海道」と彫られた石の道しるべが残っている場所もあり、歩けば歩くほど歴史の奥深さを感じることができます。
 

なお、春には新緑、夏は深い木陰、秋には紅葉、冬は雪化粧と、季節ごとに異なる表情を見せてくれるのも旧街道の魅力です。特に秋の紅葉シーズンは人気が高く、赤や黄色に色づいた杉並木や山々の中を歩くひとときは格別です。
 

箱根旧街道は、単に目的地へ向かう「移動の道」ではなく、歩くこと自体が旅の目的になる貴重なトレイル。自然、文化、歴史、それぞれの“物語”に触れながら歩くこの道には、現代の私たちが忘れかけていた「旅の原点」が詰まっています。

登山初心者も安心!装備と服装、歩き方のコツ

箱根旧街道トレイルは「歴史ある道」というイメージが先行しがちですが、実際には標高差600m以上、全長10kmに及ぶ本格的な山道を含むルートです。とはいえ、道はよく整備されており、事前にしっかり準備すれば登山初心者でも安心して挑戦できます。ここでは、快適に安全に歩くための装備や服装、歩き方のポイントを解説します。
 

まず大切なのが靴の選び方です。箱根旧街道は石畳や土の道が中心で、雨上がりや朝露のある日は特に滑りやすくなります。スニーカーでも歩けないことはありませんが、できれば滑り止めのついたトレッキングシューズ軽登山靴をおすすめします。クッション性とグリップ力に優れた靴を選べば、足元の不安を大きく減らせます。
 

服装に関しては、基本的に動きやすく通気性のよい登山向けウェアが理想です。春〜秋は軽めの長袖・長ズボン、冬季はフリースや防寒ジャケットの重ね着が基本。道中は山道で気温が下がりやすく、特に甘酒茶屋〜元箱根間では風が強くなることもあるため、脱ぎ着しやすい重ね着スタイルが便利です。
 

天候の変化に対応できるよう、防水性のあるレインウェアは必携。山の天気は変わりやすく、途中で雨に降られるケースも少なくありません。傘は石畳で滑りやすくなるので、両手が空くレインウェアが安全です。
 

次に持ち物についてですが、最低限以下の持ち物を準備しておくと安心です

  • 飲み物(500ml〜1Lの水またはスポーツドリンク)

  • 行動食(チョコレート、ナッツ、エネルギーバーなど)

  • 小型のタオル(汗拭きや雨天時の拭き取りに)

  • モバイルバッテリー(電波が届きにくいエリアもあり)

  • 地図アプリまたは紙の地図(国土地理院や観光案内所で入手可)

  • 常備薬・ばんそうこう(靴ずれ対策にも)


また、途中で立ち寄れる甘酒茶屋以外には売店がないため、飲み物や軽食はスタート前に準備しておくのが鉄則です。箱根湯本駅周辺にはコンビニやお弁当屋もあるので、出発前にしっかり補給しておきましょう。
 

歩き方のコツとしては、石畳の上では歩幅を狭く、重心を落とし気味に歩くのがポイント。滑りやすい場所では小股で着地面積を広くし、バランスを保ちながら進みます。上り坂では息が上がりやすくなるため、呼吸を意識して「吸って2歩、吐いて2歩」のようにリズムを整えると、疲れを感じにくくなります。
 

また、道中の風景や史跡に気を取られて歩きスマホをしてしまうと、転倒や滑落の原因になりかねません。景色を見るときは一度立ち止まり、周囲を確認してから楽しむようにしましょう。
 

疲労軽減のためにトレッキングポールの携帯も有効です。特に石畳や急な下り坂では、膝への負担が軽減され、バランスを崩しにくくなります。1本でも効果がありますが、両手に持つとより安定感が増します。
 

最後に、初心者でも安心できる理由として、旧街道沿いには現在の国道1号が並行して走っている点が挙げられます。体調が優れないときや天候が悪化したときは、近くのバス停からエスケープすることが可能です。「歩ききらなければならない」というプレッシャーがない分、安心して挑戦できるのも箱根旧街道の魅力の一つです。
 

初心者にとって重要なのは、無理をせず「マイペースで楽しむ」こと。ペースが遅くても、道中の歴史と自然をじっくり味わうことができれば、それが何よりの収穫です。しっかり準備をして、自分のペースで江戸の道を歩いてみてください。

アクセス方法と下山後の楽しみ方(温泉・グルメ)

箱根旧街道トレイルを最大限に楽しむためには、事前にアクセスと下山後の過ごし方をしっかり押さえておくことが大切です。ルートの起点と終点が異なるため、公共交通機関を利用するのが一般的。さらに、ゴール後には名湯やグルメも充実しているため、旅の締めくくりとしても大満足の1日になります。
 

まずアクセス方法ですが、スタート地点である箱根湯本駅へは、東京方面から小田急ロマンスカーを使えば約1時間30分で到着します。新宿駅から直通の特急を使えば、乗り換えもなく快適な旅の始まりを演出してくれます。小田原駅でJRや新幹線から小田急線に乗り換える場合でも、約15分で到着できるため利便性は高いです。
 

箱根湯本駅からは徒歩で旧街道にアクセス可能ですが、トレイルのスタート地点として多くの人が選ぶのは畑宿入口周辺です。湯本駅から登山バス(箱根登山バス)で「畑宿」バス停まで行くと、そこから旧街道に入りやすく、所要時間も短縮されます。途中までバスを使い、メインの石畳ゾーンを中心に歩きたい方におすすめのルートです。
 

ゴール地点は元箱根・芦ノ湖畔エリア。ここからは箱根登山バスや伊豆箱根バスで箱根湯本駅や小田原駅に戻ることができます。バスの本数は日中で1時間に2〜4本程度あるため、時刻表をあらかじめ確認しておくと安心です。また、芦ノ湖から箱根町港や元箱根港から出ている遊覧船(箱根海賊船)に乗って桃源台方面へ移動し、そこからバスやロープウェイを使って帰るという「乗り物を楽しむ周遊プラン」も人気です。
 

さて、歩き終えた後は、がんばった身体を癒すご褒美タイム。芦ノ湖周辺には、日帰り温泉施設や足湯カフェがいくつも点在しています。たとえば「箱根芦之湯温泉」や「箱根湯の花温泉」など、歴史ある温泉地では、登山後の疲れた脚をゆっくり癒すことができます。バスターミナル周辺には、ホテルの立ち寄り湯もあり、タオルレンタルが可能な施設も多いため、手ぶらでも安心です。
 

食事に関しても、箱根グルメは旅の大きな楽しみの一つ。元箱根エリアでは、わかさぎフライや湖畔カフェ、そば処など、トレイル後にぴったりな和洋食がそろっています。とくに人気なのが、芦ノ湖名物の「わかさぎ定食」や、昔ながらの甘味処で味わうあんみつ・くず餅といった和スイーツ。がんばった自分へのご褒美として、ぜひ味わってみてください。
 

また、芦ノ湖畔には箱根神社や九頭龍神社といったスピリチュアルスポットもあります。トレイルの達成感とともに参拝することで、心身ともにリフレッシュできるでしょう。湖畔の鳥居や参道は写真映えも良く、観光としての満足度も非常に高いエリアです。
 

時間に余裕があるなら、帰路を急がずに「箱根フリーパス」などを使って箱根湯本まで寄り道しながら戻るルートもおすすめです。途中の「小涌谷」や「強羅」で温泉やアート施設に立ち寄ったり、「彫刻の森美術館」や「ポーラ美術館」で文化的な体験を追加すれば、トレイル+観光の充実した一日になります。
 

なお、旧街道を逆に芦ノ湖側から歩き始めるプランもありますが、下りが続くため足腰に負担がかかりやすく、初心者にはやや不向きとされています。やはり湯本→芦ノ湖の“上りベース”のほうがペース管理がしやすく、安全面でも安心です。
 

公共交通の便が良く、日帰りでも十分に楽しめる箱根旧街道トレイルは、「ちょっと本格的な登山をしてみたいけれど、気軽にアクセスできる場所がいい」という方にぴったりのルートです。江戸の道を歩き、歴史に触れ、温泉で癒やされる——そんな贅沢な一日を、ぜひ体験してみてください。

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