トランギアのストームクッカーとは?
ストームクッカーは、アルコールを燃料とするストーブ(バーナー)と、風よけのための風防、ゴトク、鍋2つ、フライパンが1つ、鍋やフライパンの取っ手として使うハンドル、そしてその全てをパッキングした時に固定するためのベルトがセットになったマルチクッキングセットです。
1925年にスウェーデンで創設されたトランギア社、はじめは家庭用のクッキング用品を作っていましたが、時代の移り変わりとともに、キャンピングギアの制作へと移行。1951年にストームクッカーの最初のプロトタイプが開発されました。
ちなみに1950年代のストームクッカーがこちら↓
なんと!ご覧の通り、60年以上経った現在2018年のストームクッカーと見た目がほとんど変わりません。なお、現在はケトル(やかん)は別売りとなっています。
トランギア/ストームクッカーの長所は?
◎コンパクトなパッキング
ゴトク部分の器に、蓋代わりのフライパンというこの↑サイズにセットが全て収まります。
他のブランドなどからも、クッカーセットや、中にうまく収まりそうなコンパクトなバーナーも販売されていますが、パッキングがコンパクトなものを選んでいくと、調理する際に小さくて使い難かったり、安定感に欠けたりと、せっかくのアウトドアクッキングを楽しみたい方にはちょっと不満かもしれません。
荷物を担ぐので、極限までコンパクト&軽量で行きたい登山や、「ちょっとお湯を沸かすくらいしかしないよ~。」という方には、そちらの方がオススメです。
◎驚くほど静か
アルコール燃料に火を点けて燃やすだけなので、本当に静か。風の音や、鳥の声、波の音など、アウトドアの心地いい音を邪魔することはありません。
ちなみに、本当にシーンとした静かな環境では、コォーーーという燃料の燃える小さな小さな音が聞こえます。これは、むしろ「聞こえたらラッキー!」な気持ちになりますよ(笑)。それほど静かです。
そしてもちろん!アウトドアを楽しむ時間を一緒に過ごす大切な人の声を聞き逃すこともありません!
◎煮る焼く茹でるなんでもできる!
鍋で煮ものや炊飯、フライパンで焼き物などなど、一通りの過熱調理はなんでもござれ!
炊き込みご飯に筑前煮、アクアパッツァやパエリアなどなど、「家のコンロで作れる料理で、作れないものはほとんどない!」と言えます。
別売りのオプション品もかなり充実しているので、茹でたパスタの湯切りや、ケトルでの湯沸かしもバッチリ。更に、万が一、鍋を焦がしてダメにしてしまった場合でも、別売りで鍋だけを購入することができるので安心です。
◎使い方が簡単
ベース部分を組み立てて、バーナーを置き、火を点ける。
ガソリンストーブや灯油ストーブのようにポンピングする必要もなければ、ガスバーナーのように燃料を出しながら火を点けることもありません。ただ単に、火を点けるだけ。シンプルな操作で簡単に使うことができるので、初めて使う人であっても、何も難しいことはありません!
子供の頃、理科の実験でアルコールランプ使ったように、ちゃんと説明すれば、子供でも簡単に使用することができるアイテムなのです。
◎燃料の入手がしやすい!
燃料のアルコールは、薬局やドラッグストアなどで簡単に入手することができます。
店員さんに「燃料用アルコールありますか?」と聞けば、広い店内でもさくっと教えてもらえますよ。
旅先での燃料補充や、「うっかり忘れてしまった!」という時も、薬局やドラッグストアは小さな町にもあるので安心です。
トランギア/ストームクッカーの短所は?
△火が見えづらい
アルコールに火を点けた時、暗いところでは青い炎がよく見えるのですが、昼間明るい時にははっきり言ってかなり見えにくいです。点いてないと思って再度点火しようとしたり、燃え尽きたと思って、燃料を追加したりする際、本当に消えてるのかどうか注意する必要があります。
せっかくの楽しいキャンプ、火傷などしてテンションダダ下がり・・・と、ならないように十分にご注意を。と、いうわけで、点火のためのライターは、着火口と持ち手部分の距離が長いタイプのご使用をオススメします。
△火力調整が難しい
アルコールバーナー自体に、ゴムパッキンのついたスクリュー式のフタと、消火したり火力調整をするためのフタが2つついています。
この火力調整のできるフタ、スライドして開き具合を変えられるのですが、はじめの状態でかなり動きが固いので、ぐりぐりちょっと上下の負荷をかけつつ動かしておけば動きはスムーズになります。
と、言っても、火がついた状態での火力調整、上にあがってくる熱気がかなり熱いので火傷に注意。また、このフタを付けた状態からの消火も火が消えにくいので、同じく注意が必要です。
なので、気を使って火力調整をするよりも、火から遠いフライパン使用時に火加減弱めの調理を、火に近い鍋を使う時に強火の調理を・・・と、火との距離で使いわけをする方法がオススメです。
ストームクッカーで作る簡単オススメレシピ
ストームクッカーのいい点や注意するべき点が分かったところで、次に、ストームクッカーで美味しく簡単に作れるオススメレシピを3つご紹介します。
◇アクアパッツア
1.白身魚を塩やハーブにまぶす。
2.魚をオリーブオイルとニンニクで炒める。
3.あさりとプチトマトを入れて蒸し煮にする。
以上3ステップの超簡単レシピ。
残った魚介のエキスたっぷりなスープも、パンにつけて食べたり、パスタのソースにしたりと1つで2度おいしい料理です。白ワインがすすむ~。
キャンプに行った先の地の魚を調達して(白身魚ならなんでもOK&丸ごとでも切り身でもOK)、美味しくて見映えるメイン料理が簡単にできちゃいます。
ちなみに、上のアクアパッツァの写真はユニフレームのダッチオーブン6インチ(※残念ながら現在はメーカー廃盤になっています)。こんな感じで↓ストームクッカーのLサイズにフィットします。
もちろんセットの鍋でも作れますので作ってみてくださいね。
◇ジンギスカン
1.もやし、キャベツ、ピーマンなどの野菜をカット。
2.フライパンに野菜をこんもり盛って、その上にタレ漬けの羊肉をオン。
3.焼く。
こちらも同じく3ステップの超簡単レシピ。
キャンプやアウトドアの定番バーベキューもいいですが、フライパンとバーナーを使って、いつもと違う焼き肉を楽しんじゃいましょう!ビールも赤ワインもぐいぐいイケます。
◇蒸し小龍包
ちょっぴり変化球ネタで、ストームクッカーを蒸し器に。
現在、純正のアイテムで蒸し皿は発売されていないのですが、キッチン用品として100円均一などにも売られている蒸し皿を使って、蒸し小龍包。
肉まんやシュウマイ、カップを使えば蒸しパンや茶わん蒸しまでできちゃいますよ~。
2018年現行モデルのストームクッカーラインナップ
ストームクッカーの現在発売されている種類は4タイプ。
それぞれの特徴と、SサイズとLサイズの2種類の大きさを選んで、自分に合ったストームクッカーを選びましょう。
まずは、ストームクッカーの中でも最もベーシックなタイプのウルトラライト。
通常よりも強度のあるアルミニウムを使用することで軽量化を図っています。
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続いて、先ほどのウルトラライトモデルベースにした、ウルトラライトハードアノダイズド。
ウルトラライトモデルに、アルミニウムの腐食を防ぐためのハードアノダイズド(陽極処理)加工を施しています。
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次に、先ほどと同じくウルトラライトモデルベースにしたブラックバージョン。
ウルトラライトモデルの表面に黒色塗装を施したシリーズで、フライパンだけでなく鍋にもノンスティック加工を施していので調理の時に焦げ付かず、洗うのも楽です。
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そして最後に、今年2018年に発売されたデュオーサル。
熱伝導率の高いアルミを外側に、耐久性の高いステンレスを内側に使用したニューモデルです。
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フィールドに飛び出してキャンプを楽しもう!
さて、今回は、筆者の私も10年近く愛用しているトランギアのストームクッカーをご紹介しましたがいかがでしたか?私の『ストームクッカー愛』が、みなさまに伝わりましたでしょうか(笑)。
シンプルゆえに故障も少なく、使うほどに味のでてくるトランギアのストームクッカーと一緒にぜひぜひフィールドに遊びに行ってくださいね。