寒い季節のテントには薪ストーブ!
防寒着と風を防ぐシェルターやスクリーンタープの使用・たき火・カイロなどなど、冬キャンプの寒さ対策としては様々なものがありますね。
部分的な防寒アイテムに加えて、空間を効果的に暖め快適に過ごすためには、暖房能力が高い薪ストーブの使用がおすすめです。初めてでも注意すべきポイントを押さえれば薪ストーブの導入は可能。ポカポカキャンプを目指してしっかり予習していきましょう。
テント内でストーブを使うときの注意点
テント内で薪ストーブを使う場合はより多くの注意を払わなくてはなりません。薪ストーブの事故につながりやすい注意点についてしっかり理解しておきましょう。
一酸化炭素中毒
換気が不十分な環境で薪ストーブを使っていると、不完全燃焼を起こして一酸化炭素が発生する恐れがあります。一酸化炭素は色や臭いがないため発生しても気づきにくいです。
一酸化炭素中毒になると頭痛や吐き気・めまい・意識を失うなどの症状が起こります。空気中の一酸化炭素濃度が1.28%になると1~3分で死に至ります。特に寝ている間は気づかない内に中毒症状が進んでしまうことがあるので注意が必用です。
一酸化炭素中毒の対策は?
対策としてはベンチレーションや出入り口など2ヶ所以上を開けておき換気を十分に行う、寝るときは電気暖房器具などに切り替える、一酸化炭素濃度チェッカーを使用する、などがあります。
一酸化炭素中毒が疑われる場合はすぐに換気を行い、新鮮な空気がある場所に移動してください。症状が回復しない場合は医療機関を受診しましょう。意識がないなど重症な場合は救急車を呼びます。
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火災
火災にも十分注意が必用です。化繊系のテントは特に燃えやすく、あっと言う間にテント全体が燃えてしまいます。また風で近くのテントに燃え移る危険もあります。
ストーブの周囲に燃えやすいものを置かない、テントやシェルターの壁に近づけすぎないなどは基本的な注意点です。また薪ストーブをテント内で使うときは、煙突がテントの生地に触れないようにガードしないと高温でテントが溶けたり燃えたりします。ストーブ本体の転倒も注意です。特に芝のサイトは地面からの燃え広がりも速く危険です。
薪ストーブ火災の対策は?
対策としては、引火や転倒を避けるべく設置場所の周囲を広くとる、煙突の設置方法を工夫する(後述)、燃えにくい素材や難燃加工のテントを使用する(燃えないわけではありません)、万一に備えて携帯消火器などを準備、などがあります。
楽しい雰囲気にお酒が入ると火災などに対する注意力が落ちることがあるので、その点も気をつけたいですね!
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薪ストーブの使い方や設置方法は?
薪ストーブの基本的な使い方やテント内に設置する方法について確認していきましょう。
薪ストーブの使い方
薪ストーブの転倒などを避け、煙突を安定して設置するためにも平らな場所を選んで置くようにしましょう。薪ストーブ周囲にある石などの障害物や燃えやすいものは取り除いておきます。
薪ストーブの基本的な着火・消火方法は次の通りです。
- よく乾燥した太めの薪を薪ストーブの中に入れる
- その上に細い枝や新聞紙など焚き付けになるものをのせる(着火剤があると便利)
- 空気口を全開にしておき、火の勢いが強くなったら蓋を閉めて待つ(煙突から煙が出るのを確認)
- 薪が燃え切って赤くなる「熾火」の状態になったら軽く叩いて平らにならし、薪を追加する
- 温度や燃え具合を見て空気口の開きを調節する
- 消火は薪を崩して全て燃やし切る。空気口を閉めておくと早い(水はストーブを傷めるので使わないこと)
- 灰は全部取り除かずストーブ内に2~3cm残しておく(ストーブ底の保護のため)
テント内設置のポイント
薪ストーブは地面に置かずに足をつける!
薪ストーブの熱は360°全方向に放出されるため、地面に直接置かずに足をつけることが必用です。足をつけて高くすることで熱による地面への影響を防ぎ、また下方向への放射熱も利用できて暖房効率がアップします。
薪ストーブの底上げとしては、丈夫なレンガや金属トレーを敷いたすのこに乗せたり、折りたたみテーブル用の足をボルトで取り付けるといった方法があります。薪ストーブによっては専用の延長脚が販売されているものも。
金属製の丈夫なラックを利用する方も多いですが、中でもユニフレームの「フィールドラック」が人気です。本体重量が1.7kgと軽いのに耐荷重量が30kgと心強いスペックです。薪ストーブを使わない季節は普通のラックとして使用できる点も良いですね。ただし人気のため品切れや入荷待ちのことも多いようです。
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薪ストーブの煙突を設置しよう
テント内で薪ストーブを使う場合、煙突をテントの外に出すための工夫が必用です。
テント下部や上部のベンチレーションから煙突を出すケースが多いと思いますが、その際煙突の熱でテントが溶けないように幕避けをしなければなりません。
市販の煙突ガードもありますが、売り切れだったり煙突やベンチレーションとサイズが合わなかったりすることもあるので、傘立てやステンレス網・木板などを使って自作する方も多いです。
また外に出した煙突が強風で倒れると非常に危険なので、しっかり固定しておきましょう。こちらも工夫して自作する方が多く、ランタンポールと針金で固定する・ロープでペグダウンする、といった方法があります。煙突を横に出す場合、立ち上がり部分の下支えが必用です。市販の煙突支えや、鍛造ペグを縦横に組み合わせたものを利用するケースが多いです。
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テントの加工が必用な場合も
煙突ポートが付いているテントもありますが、そういった穴がないテントや穴の位置が適当でない場合は穴を開ける加工をする方法もあります。
安心なのは手持ちのテントに煙突ポートを加工してくれる会社に依頼することです。耐熱シート等を購入し自作することも可能ですが、本当に適切な材料を選べるか、テントを傷めることなく加工できるか、など自己責任の部分は大きくなってきます。
また煙突ポート付きのテントについても、使用状況等により耐熱シートが変形することがあるので、煙突ガードなどを併用することをおすすめします。燃焼中の薪ストーブの煙突は300度にもなりますので、可能な限りの対策を取るのが安心です。
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薪ストーブをテントに取り入れてキャンプに行こう!
薪ストーブはお手軽とは言えないかもしれませんが、手間をかけた分最高の暖かさと雰囲気が手に入りそうですね。準備を万全に整え、安全で快適な薪ストーブキャンプを始めてみませんか?