更新:2018.7.21 作成:2018.6.29

今年こそはチャレンジ!北アルプス・涸沢へ行ってみよう!

「憧れの涸沢に今年こそは行ってみたいけど、行き方や登山道の状況が分からない」という方に向けて、筆者が実際に行ってみた感想と、涸沢へのアクセスや登山道など詳しく解説します!登山初心者でもしっかりと計画を立てれば難易度は高くありませんので、ぜひチャレンジしてみてください!
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
お気に入り
目次
  1. 涸沢とは?
  2. 涸沢の魅力とは?
  3. 登山口までのアクセス
  4. 上高地から涸沢までの登山道レビュー
  5. 横尾までの山小屋
  6. 涸沢カールの山小屋
  7. 涸沢からの下山道
  8. おすすめアイテム
  9. 実際に行ってみての感想
  10. 今年こそは涸沢へ行ってみよう!

涸沢とは?

涸沢とは長野県松本市安曇にある、奥穂高岳直下の涸沢カールのことを指します。
涸沢カールの標高は2300mで、直径は2kmほどです。
涸沢カールは北側は北穂高岳へ続く登山道(通称:ゴジラの背)、南側は前穂高岳から奥穂高岳へ続く吊尾根、東側は前穂高岳の北尾根、西側は穂高岳山荘へ続くザイテングラードに囲まれています。

所在地は?

住所は長野県松本市安曇ですが、登山口である上高地から徒歩6時間の場所に位置しています。
途中からは本格的な登山道となりますので、登山装備が必要です。

登山口は上高地

涸沢への最寄りの登山口は「上高地」です。
上高地バスターミナルから明神~徳澤~横尾を経由して、涸沢に行きつきます。

涸沢の魅力とは?

①季節によって変わる景色

季節によって装いを変える涸沢は、1年を通して人気のあるスポットです。
春はスキーヤーやスノーボーダーが押し寄せ、山スキーを楽しみ、秋は紅葉を見におびただしい人が押し寄せます。

新緑の涸沢

涸沢カールの雪が解け、一般登山者が登れるようになる時期は7月中旬以降です。それまでは涸沢までの登山道には残雪があり、アイゼン・ピッケルが必携です。涸沢カールには8月頃まで雪が残り、新緑とのコントラストが非常にきれいな景色です。

紅葉の涸沢

涸沢の紅葉の時期は、9月下旬から10月上旬位です。
涸沢にはモミジ、ダケカンバ、ナナカマドなど多くの紅葉する木々が植生しています。
国内有数の紅葉の名勝地に、毎年多くの登山者が涸沢を目指します。

②モルゲンロート

モルゲンロートとは、山肌に朝の太陽が当たって赤く染まる様子を指します。涸沢カールに見れるモルゲンロートは非常にキレイで圧巻です。山小屋泊、テント泊をすれば早朝に見ることができます。

③圧巻のテント村

涸沢にはテントを担いだ登山者が非常に多く見られます。テント受付には長い行列ができ、夜はテントの中を照らすランタンの風景が幻想的です。

登山口までのアクセス

登山口である上高地までのアクセスは多岐にわたります。山の日やお盆、紅葉時のピーク時には大変混雑します。混雑状況は事前にチェックしてから計画を立てましょう。

マイカー利用

上高地までのマイカー制限があるため、長野県側は沢渡駐車場、岐阜県側はアカンダナ駐車場に車を停めて、上高地行きのバスに乗り換えるか、タクシーで上高地まで向かいます。
 

沢渡駐車場:長野県

長野自動車道、松本ICから車で50分
駐車台数:2000台
駐車料金:600円/日 ※バイク300円/日
バス料金:アルピコ交通、沢渡~上高地バスターミナル片道1250円(往復券2050円)
タクシー:沢渡~上高地バスターミナル片道定額4200円

アカンダナ駐車場:岐阜県

東海北陸道、中部縦貫道、高山ICから車で60分
駐車台数:850台
駐車料金:600円/日
バス料金:濃飛バス、平湯~上高地片道1160円(往復券2050円)
タクシー:平湯~上高地バスターミナル片道定額4500円

マイカー駐車場案内

詳しい駐車場の位置はこちらでチェックしてみてください。

バス利用

登山口の上高地までは、長野県側は新島々駅から沢渡まで、岐阜県側は高山駅から平湯までそれぞれバスが出ています。沢渡、平湯でそれぞれバスを乗り換えて上高地バスターミナルへ向かいます。
 

新島々駅~沢渡:長野県

運賃:アルピコ交通、新島々~沢渡片道1050円(往復2100円)
   新島々~上高地片道1950円(往復3400円)
時間:新島々から沢渡はバスで65分

高山駅~平湯:岐阜県

運賃:濃飛バス、高山濃飛バスセンター~平湯~上高地片道2600円(往復5400円)
時間:高山濃飛バスセンターから平湯はバスで約60分
 

電車利用

長野県側の上高地の玄関口としては、新島々(しんしましま)駅が利用されています。
新島々駅へは松本駅からアクセス可能です。

松本駅~新島々駅

運賃:松本電鉄上高地線松本駅~新島々駅700円
時間:松本駅~新島々駅24分

上高地から涸沢までの登山道レビュー

上高地バスターミナルから涸沢までは6時間の登山コースとなります。
涸沢への登山道は横尾までの3時間はハイキングコースのため、登山装備は必要ありません。しかし横尾からは本格的な登山コースとなるため、しっかりと登山の準備をするようにしましょう。

基本的には1泊2日で計画を立てよう

登山口である上高地バスターミナルから涸沢までは、6時間を要します。
下山の時間も考えると日帰りで計画を立てることは難しいため、涸沢ヒュッテ・涸沢小屋での山小屋泊もしくは、テント泊の1泊2日の計画を立てましょう。

上高地バスターミナル~明神~徳沢~横尾

上高地から横尾までは平坦な道がほとんどでハイキングコースにもなっているため、観光客も多くみられます。横尾までは3時間で到着し、1時間ごとに山小屋もあるため、ウォーミングアップにもなりペースもつかみやすいです。

コース詳細

上高地バスターミナルを河童橋方面に向かい、小梨平キャンプ場横の道を、梓川沿いに明神方面に向かいます。明神まではアップダウンがほとんどない平坦な道で、約1時間ほどで着きます。時間に余裕があれば明神橋を渡り、神秘的な明神池に立ち寄ることもできます。明神から徳沢までも平坦な道を約1時間ほど歩きます。水場もあるため、ここで補給してもいいでしょう。
明神から横尾も平坦な道で約1時間ほどで到着します。

所要時間

上高地バスターミナル→(約60分)→明神→(約60分)→徳澤→(約60分)→横尾

横尾~本谷橋

横尾から本谷橋までは道幅が狭くなり、平坦もしくは緩やかな登りが続きます。本谷橋までは通常1時間程度ですが、最盛期は渋滞する可能性があるため時間にはゆとりを持って行動しましょう。

所有時間

横尾山荘→(約60分)→本谷橋

本谷橋~涸沢

本谷橋から涸沢までの2時間は本格的な登山道です。勾配はきつくなりますが、危険な箇所はなく急登でもありませんが、より登山道が狭くなるため、追い越しや下山者とのすれ違いに時間がかかります。平日でも随所で渋滞が起こる場合があります。

コース詳細

本谷橋を渡ると、勾配がきつくなり本格的な登山道となります。1時間ほど登ると視界が涸沢方面に開け、勾配が緩やかになります。30分程度登ると、大きな石が多く見られ石段の登りです。石段が階段状になれば涸沢ヒュッテまでもうすぐです。

所有時間

本谷橋→(約120分)→涸沢

横尾までの山小屋

上高地バスターミナルから横尾までは「明神館」「徳澤園」「横尾山荘」と、約1時間毎に山小屋があります。横尾山荘を過ぎると山小屋はないため、トイレ等は横尾山荘までで済ませましょう。

明神館

上高地から平坦な道を徒歩60分で着きます。スニーカーでもハイキング気分で行ける明神館は、宿泊も食事もできるため、観光客にも人気です。

徳澤園

涸沢へのパノラマコース、常念山脈・蝶ヶ岳への登山口となっている徳澤園。小説「氷壁」の舞台となっている歴史ある山小屋です。

横尾山荘

涸沢、穂高岳、槍ヶ岳の登山口である横尾山荘。ここまで来ると観光客の姿は少なく、多くの登山者で賑わっています。宿泊者は温泉も利用できる山小屋です。
 

涸沢カールの山小屋

涸沢カールにはテント場を挟んで南側に涸沢ヒュッテ、北側に涸沢小屋があります。テント場を利用する方は、テント場中央に受付がありますので、受付を済ませてテントを設営しましょう。

涸沢小屋

涸沢ヒュッテ

涸沢からの下山道

涸沢からの上高地への下山道は2コースあります。1つは登った道を横尾方面へピストンするコース。2つ目はパノラマコースで横尾ではなく、徳沢で合流するコースです。

涸沢~横尾~上高地バスターミナル

涸沢から横尾を通過し、上高地バスターミナルに戻るコースは約5時間で下山ができます。横尾までは2時間ほど要しますが、登ってきた道を帰るのみとなるので気は楽かもしれません。
ただし下山者と登ってくる登山者とのすれ違いで渋滞となるため、時間に余裕を持って行動しましょう。

パノラマコース~徳沢~上高地バスターミナル

パノラマコースは上高地バスターミナルまで5時間30分の中級者向けの登山コースです。クサリ場やはしごも設置されていて、コースタイムも長いため健脚者向けのコースです。
屏風の耳から涸沢方面の展望が良く、天気が良ければ槍ヶ岳まで見えます。また逆側は常念山脈の展望が非常に良く、360℃のパノラマが楽しめます。
 

コース詳細

涸沢ヒュッテの横を南側(山肌側)へ通過し、前穂高岳の北尾根の尾根沿いに進みます。途中鎖場やはしご、落石の危険もある箇所もあるため、慎重に通過します。
尾根沿いを1時間ほど歩くと、上高地側への視界が開け、屏風のコルに行きつきます。屏風の耳の往復は約50分で、屏風のコルにザックをデポして往復可能です。
屏風のコルからはジグザクのザレ場を下り、樹林帯の下山です。途中2つほど沢を横切りますが、良い休憩場となっています。下り道が平坦になってきたら徳沢までもうすぐです。

所有時間

涸沢→(約70分)→屏風のコル→(約30分)→屏風の耳→(約20分)→屏風のコル
→(約90分)→中畠新道分岐→(約50分)→新村橋→(約20分)→徳澤園
→(約60分)→明神館→(約60分)→上高地バスターミナル

おすすめアイテム

①山と高原地図 槍ヶ岳・穂高岳 上高地

涸沢・穂高岳のコース詳細やコースタイムが記してあります。今現在自分がどの地点にいて、目的地までどれくらいの時間が要するかが分かりますので、持っておくと安心できます。

②ハイマウント 簡易トイレ

涸沢では最盛期にはトイレは非常に込み合います。特に女性用は長い行列になっていることもしばしば。万が一の際に持っておくと安心できます。

③SOHUMIMI(耳栓)

山小屋やテント泊の場合、苦慮するのがイビキ。宿泊者もたくさんいれば、うるさくて寝付けない場合もあります。しっかり睡眠をとらないと次の日に影響が出ますので、耳栓はおすすめです。

実際に行ってみての感想

私自身10月上旬の紅葉最盛期に涸沢へ行きましたが、バスの待合室50~60名の行列から始まり、登山道、涸沢の山小屋までものすごい人でした。登山道ではすれ違いに時間を要し止まることもしばしば。涸沢のテント泊では15時過ぎに着くと、受付では30名ほど並び、テントを張る場所を探しても遠くの場所しかないような状況でした…。
教訓としては上高地バスターミナルをより早い時間に出発すれば、渋滞に巻き込まれずスムーズだったかなと感じました。
涸沢に行かれるときはくれぐれも時間には余裕を持ちましょう!

今年こそは涸沢へ行ってみよう!

いかがでしょうか?
涸沢は歩行時間は長いですが、計画的に登れば、難しいコースではありません。
荷物を軽くして山小屋に泊まるも良し、テントを担いで登るも良しで、自分に合った登り方を選んで、最高の思い出にしましょう♪

関連タグ:

RELATED

関連記事

KEYWORD

この記事に関連するキーワード

CATEGORY

その他のカテゴリ

  • genki

    春~秋はキャンプ・登山、冬はスノーボードと、アウトドアをこよなく愛するWebライターです!常に穴場の...

    フォローする

連載

【製品紹介】究極にコンパクトを追求した21gのコーヒードリッパー

【製品レビュー】2019年発売のSOTO・マイクロトーチアクティブを使ってみた!

コンテスト

おすすめ

編集部のおすすめ